運賃・料金

平成24年4月に発生した高速ツアーバス事故等により、貸切バス市場の現状について問題の深刻化が浮き彫りになりました。このため、国土交通省では、貸切バスの安全性向上を図る取り組みの一環として、貸切バスの運賃制度を抜本的に見直し、安全と労働環境改善コストを反映した、合理的でわかりやすい時間・キロ併用制運賃が平成26年4月より実施されました。 貸切バス事業者は、各運輸局等が公示した運賃・料金で届出を行う場合、公示運賃の上限額と下限額の幅の中で運賃を決定します。下限額以下の運賃で運行すると、届出運賃違反として行政処分となるとともに、その貸切バス事業者は安全が確保されていない可能性があります。
  1. 時間制運賃とキロ制運賃を合算して計算します。 ① 時間制運賃 出庫から入庫までの時間に、出庫点検・帰庫点検の各1時間ずつ合計2時間を加え、時間制運賃を乗じる(最低保障として、3時間に点検時間の2時間を加算した5時間とします)。 ② キロ制運賃 出庫から入庫までの距離にキロ制運賃を乗じる。
  2. 料金の種類について。 ① 深夜早朝運行料金 22:00~5:00に係る運行は、その係る時間については2割を限度とした割増料金を適用。 ② 交替運転者配置料金 長距離・長時間・夜間運行などで安全運行のために交替運転者を配置した場合に適用。交替運転者配置料金の計算→時間制料金=下限(※)~上限(※)
③特殊車両割増料金 サロンカー、リフト付きバス等は運賃の5割以内の割増しを限度として適用。
キロ制料金=下限(※)~上限(※)各運輸局が公示した料金
  1. 行政処分が厳しくなりました ① バス事業者 初違反→20日車の車両使用停止 再違反→40日車の車両使用停止 ② 旅行事業者 貸切バス事業者が、届出運賃違反で行政処分を受け、旅行業者の関与が疑われる場合、地方運輸局より国土交通本省を通じて観光庁に通報され、旅行業者等に対しては立入検査等旅行業法に基づく措置が講じられます。
時間制運賃の最低保障 時間制運賃の最低運賃(3時間)を維持しつつ、出庫前・帰庫後の点検時間として2時間を全ての運行に加算します。
◎ 3時間運行の場合 5(時間)×(時間あたり運賃)=(時間制運賃) ◎ 10時間運行の場合 12(時間)×(時間あたり運賃)=(時間制運賃)
出庫から帰庫までの回送を含めた距離  
1.貸切バス事業者の選定に関する留意点 (1) 事業許可 地方運輸局長又は沖縄総合事務局長から「一般貸切旅客自動車運送事業」の許可が必要です。 (2) 営業区域 輸送の安全を確保する為、発地及び着地のいずれかが事業者の営業区域内であることとなっています。 (3) 輸送の安全性等を判断するうえで参考となる情報 ① 国土交通省の行政処分情報→国土交通省ホームページにて確認できます。 ②任意保険の加入状況→貸切バス事業者は自賠責保険に加え、対人無制限、対物200万円以上の任意保険の加入が義務化されています。 2.安全に配慮した無理のない旅行行程作成のための留意点 行程は利用者の希望が第一ですが、運行速度、運転者の運転時間や休憩等に配慮が必要です。 ① 予定走行距離 ② 見込まれる運行速度 ③ 運転時間・休息時間等 ④ 運転者の休憩場所、駐車場の確保 ⑤ 交替運転者の確保(長距離、長時間運行の場合) 3.運送契約に関する留意点 (1) 運送約款の内容の確認 ① 運送申込み → 契約を結ぶ者の氏名、連絡先、乗車申込人員、車種別の車両数、配車の日時、場所、工程等 ② 運賃及び料金 → バス事業者が地方運輸局へ届出た運賃・料金で契約することが必要です。 (2)事故・障害等緊急時の対応について 契約責任者の緊急連絡先は運送申込書に記載し、貸切バス事業者の緊急連絡先は運送引受書に記載すること。
一般貸切旅客自動車運行事業の変更命令の審査を必要としない運賃・料金の額の範囲(関東運輸局管内)
※ マイクロバス・コミューターの運賃は小型車の対象となります ※ 詳しい公示内容につきましては、下記のリンク先ホームページをご覧ください国土交通省関東運輸局 一般貸切旅客自動車運送事業の運賃・料金制度について